夏芽の第2ボタン。
案の定それは告白で
気持ちは嬉しかったけど
断った
あたしは、
夏芽だけだから
教室に戻ろうと振り返ったら
そこにはなぜか夏芽がいた
見慣れた薄ピンクのパーカーに着替えてて
やっぱり夏芽はこっちの方がいいと思った
学ランは着てなくて
ボタンが残ってるか分からないけど、言わなきゃ
「夏芽、よかったら、
第2ボタンちょーだい?」
周りの雑音をかき消すような
ドクドクと響く心臓の音が
うるさかった
「あー……」
夏芽は気まずそうに視線を逸らして
申し訳なさそうに頭を掻いた
「…ごめん。
多分全部なくなった」