〝愛してる〟と〝大好き〟
「ごめんなさい。」
こう言わずにはいられなかった。
あんな晃初めて見たから。
アタシの前で泣いたことなんて小さいときでもなかった。
それが、男の子なんだって勘違いしていたアタシがいたのかもしれない。
それでも、
泣いたことなんてなかった。
怜ちゃんのお葬式。
泣かなかった。
小さいとき、こけた。
泣かなかった。
小さいとき、高熱で救急車で運ばれた。
泣かなかった。
晃って強がりに見えて、
実はとっても弱いのかもしれない。
赤ちゃんのころから一緒にいるのに、
アタシ、晃のこと何にもわかってあげられてない。
悔しくてたまらないよ。
いっつもかっこつけてばっかで、
アタシには泣き顔のひとつ見せてくれなかったけど、
今日と言うこの日は、アタシが泣かせてしまった。