〝愛してる〟と〝大好き〟


「じゃあ、お互い様ってことでいっか。」

そういったのは、もちろんアタシじゃなくて、
美那だった。


「美那はそれでいいの?」

「もう、いいの。ホントに晃くんのこと好きになってたんだけどさ、やっぱり、晃君はアタシじゃなくて莉那姉がスキだって、ストレートに言われちゃったからさ。」

だから諦めた。
美那はそう話した。

「だから、もし晃君を傷つけるような真似したら、すぐに奪い取るから。気をつけないと、小さな隙で入っちゃうから。」

あー、それと、
「晃君に伝えといて!姉ちゃんをよろしくって。」

「美那...」

―――――ガチャ―――――

「足元にお気をつけて降りてくださいね。」

いつの間にか観覧車は、一週回って戻ってきたみたいだ。

「んじゃあ、アタシ5時に友達と待ち合わせしてるから。バイバイ!!!」

美那はそういって走り去ろうとしたが、

「美那っ!!!」

「ありがとう!」









< 79 / 98 >

この作品をシェア

pagetop