男子校のお姫様
「ってかさ、佳音さっきお化け屋敷めっちゃ怖がってたくせに、スーは平気なんだね」
「うん。スーくんはかわいいから」
「僕は?」
・・・光君こんなこと訊く子だったっけ?
「かわいいと思うよ。うん」
祥が答えると、光君は祥に何か耳打ちした。
祥は勢いよく頷くと、おとなしくなった。
「?」
あたしが小首をかしげていると光君が笑顔で言った。
「なんでもないよ」
「そう?ならいいんだけど」
あたしはとりあえず頷いておいた。
「ただいま。お、卓じゃん」
そこで琉生兄が帰ってきた。
『琉生君!』
琉生兄が座った瞬間、スーくんは琉生兄の膝に飛び乗った。
「お兄ちゃんと仲いいってことは、慧とも仲良かったりするの?」
あたしの問いかけにスーくんはまた笑顔で頷いた。