男子校のお姫様

その後、再び乗り物が動きだしてあたしの地獄タイムが再開したのでした・・・。


「・・・疲れた・・・」

あたしはお化け屋敷から出ると、ぐったりとベンチに腰掛けた。

「佳音ちゃん、大丈夫?」

「ん・・・」

光君が隣に座って声をかけてくれた。

「もう夕方だし、佳音も疲れてるみたいだから帰ろうか」

裕篤が言うと、皆は出口に向かって歩き出した。

あたしは一緒に出て来たスーくんとみんなの後を追いかけた。


駐車場に着くと既に迎えの車が来ていた。

あたし達は車に乗り込むと学園につくまでの間談笑していた。

「佳音、今日の夕飯何?」

琉生兄の言葉に慧もあたしに視線を向けて来た。

「2人とも佳音ちゃんに作ってもらってるの?」

あたしが考え込んだその時、話を聞いていたらしい光君がそう訊いてきた。

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