男子校のお姫様
皆はその後もあたしの部屋に居座り続けて夕飯を食べた後帰って行った。
あたしは見周りに備えて早めにお風呂に入るとベットに潜り込んだ。
―――午前2時
今日は琉生兄も含めて3人で見周りを行っていた。
丑三つ時、1番妖怪や幽霊が活動しやすい時間。
あたし達は肩を並べて周りに意識を集中しながら歩いている。
「なんか変だ・・・」
時刻が午前3時を回ったころ、慧が呟いた。
確かに今日はおかしい。
いつもならすでに妖怪の群れが現れる時間がすぎている。
なのに今日はまだ一匹も遭遇していない。
「なんで今日は出てこないんだろうね・・・」
あたし達は首をかしげながら歩いていた。
結局その後も妖怪があらわれる気配もなく、あたしたちは寮に帰った。