男子校のお姫様
緊張した面持ちで男を見据えるあたしの周りに、護衛5人が囲むように集まってきた。
あたし達は地面にしゃがみ込むとじっと男から目をそらさないようにしている。
「あの辺りから感じるな~。どいつだ?」
男はそういうとこちらに視線を向けた。
やばい・・・。光君達も見える質だから霊力は人並み以上だし・・・。
「みぃつけた。そこの女だな」
「っ・・・あたしか・・・」
あたしの呟きと同時に、皆が威嚇するように立ちあがった。
「俺達のお姫様には指一本触れさせねぇぜ」
「佳音ちゃんは僕達が守るんだから」
「ふっ。弱い者ほどよく吠える。だが、お前らもそこそこ旨そうな匂いがする」
「・・・変態っぽいな」
男の言葉に龍が嫌そうな顔をしてそう言った。
それを聞いた皆は吹き出した。
「俺を馬鹿にしたこと、必ず後悔する日が来るさ。まぁいい。今日はただの下見。また来るとしよう。その時は女・・・覚悟しておけよ」
男はそういうと、一瞬で姿を消した。
それに伴って教室ももとに戻った。