男子校のお姫様
ガラっ・・・
「佳音、大丈夫!?」
慧が教室に飛び込んできた。
「教室のドア、開かないようになってたぞ・・・。クラス中困惑してるみたいだし。何があった?」
その言葉にさっきまでの出来事を報告すると、慧は「やっぱり罠だったか・・・」と呟いた。
「・・・あいつ、変態っぽかったよ」
「いやいや、この状況で報告すること間違えてんだろ」
龍の言葉に裕篤がすかさずつっこんだ。
「あいつ、佳音を狙ってたみたいだよ」
「佳音ちゃんが美味しそうだって言ってた」
「俺らもそこそこだってさ。やっぱ変態なのか?」
真面目な様子の祥、光君に続いてヒロが言った。
その言葉がきっかけで皆に睨まれたヒロは、肩を竦めて俯いた。
「えっと・・・なんか良くわかんないけどこのままじゃ授業にならないし、今日は帰れ。他の先生には俺から言っておくから」
先生がそういうと、皆は混乱したまま、荷物をまとめだした。
あたし達も急いで荷物をまとめると寮に帰ることにした。