男子校のお姫様
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つい1時間前まで賑やかだった部屋が今では静寂に包まれている。
聞こえてくるのは寝息のみ。
そんな空間であたしは目を覚ました。
時刻は午前1時50分。
もう丑三つ時が近づいて来ている。
「慧、琉生兄、起きてる?」
「俺は起きたけど琉生は寝てる」
あたしの言葉に慧の返事が返ってきた。
「じゃあ、叩き起こして」
あたし達は琉生兄を起こした後動きやすい格好に着替えて部屋を出た。
「今日も出たね」
「うん。あれ何だと思う?」
「ん~・・・カニだかザリガニの群れ?」
やっぱり慧にもよく分かってないか・・・。
「カニだかザリガニだかわからないけど・・・羽が生えてるなんて時代の最先端だね」
あたしがそういうと、慧は笑った。
あたし達は気分を切り替えると、群れに向かって走り出した。