男子校のお姫様
「春希さん・・・どうしよう」
結局、記憶を操作する前にあたし達は春希さんのところに相談に来ていた。
「どうしようって言ってもなぁ・・・。いっそもうばらしちゃえばいいんじゃないか?」
「それって、春希さんも陰陽師だってばれない?」
「別に俺はばれてもかまわないから」
あたし達は平然と答える春希さんを前に顔を見合わせた。
「あいつらは大事な仲間だしな・・・。説明してあげたいけど・・・」
「春希さんにも迷惑かかるよね」
「でも、春希さんがいいって言ってるんだし・・・」
あたしはしばらく考えこんだあと、ある結論にたどり着いた。
「「「・・・言おう。皆に」」」
重なった言葉にあたし達は目を見開いた。
まさか3人揃って同じ考えにたどり着くなんて・・・。
「3人揃ってその考えならいいんじゃないか?」
春希さんは優しく目を細めながらそう言った。
「俺がお前等のために手を打ってやるから」
春希さんはそういうと、なぜか放送用のマイクに近付いた。