男子校のお姫様
「?春希さん?何を・・・」
あたしが疑問の声を口にすると、春希さんは口に人差し指を当てて小さく微笑んだ。
≪ピンポンパンポーン≫
≪生徒の呼び出しです。中等部2年、神木祥、杉村光、岸谷裕昭、鈴野裕篤、間宮龍。理事長室で待ってる。至急来い≫
春希さんは何故か皆を呼び出した。
「なんであいつらを?」
「手を打ってやるって言っただろ?」
春希さんは優しい笑顔でそう答えてくれた。
「それに、お前等が呼ぶよりも俺が放送した方が早く来るだろ?」
春希さんが言い終えたと同時に、理事長室の扉が勢いよく開いた。
そこには急いで来たのか髪が少し乱れた皆が立っている。
「ほらな?」
春希さんは楽しそうにそういうと、皆をあたし達の対面に座らせた。
「・・・あの・・・」
あたしは皆がどんな顔をしているのか知るのが怖くて俯いたまま、小さく呟いた。
「理事長、なんで慧達がいるんですか?」
「そりゃ、慧達から話があるからだろ」
裕篤の言葉に、春希さんはそう答えるとコーヒーに口をつけた。