男子校のお姫様

「・・・何処から見てた?」

突然の慧からの質問に皆は困惑の声をあげた。

「・・・最初から」

かろうじて理解した龍がそう答えると琉生兄が「そっか・・・」と呟いた。

「光には、この間お化け屋敷に入ったとき軽く話しただろ?俺達は“見える”タイプだって」

「うん・・・」

「実際、俺達は見えるだけじゃない。滅する・・・つまり退治することができるんだ」

見られてたってことは薄々気づいてたんだろうけど・・・。

顔は見えないけれど、皆が2人の言葉に意識を集中させているということは伝わってきた。

「陰陽師ってしってる?」

「なんとなく・・・」

慧の言葉にヒロが答える。

「俺達はその陰陽師なんだよ」

琉生兄がそういうと、皆が困惑したのが分かった。

「・・・なんとなくわかってきたんだけど・・・1つだけ聞いていいかな?」

光君の言葉に慧が「何?」と聞くと、光君の視線があたしに向けられた気がした。


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