男子校のお姫様
演奏終了後・・・。
「参りました・・・」
裕篤はしょんぼりした感じでそう言った。
あたしが勝っちゃったんだよね・・・。
しかも3曲中3曲全部。
「じゃあ、おバカな裕篤はほっといて次はカラオケ行こうよ!」
光君の言葉に皆が賛同すると、あたしは引きずられるように階段を登った。
皆の歌を聴いてびっくり。
皆凄く上手なの!
慧が歌唱力あるのは知ってたけど・・・なんか皆かっこいい・・・。
って、何考えてんのあたし!?
「次、佳音ちゃん」
なんかこのタイミングで歌いたくない・・・。
「ごめん。あたし音痴だから」
あたしはあらかじめそう伝えてから歌った。
皆上手ってほめてくれて、お世辞って分かっていても嬉しかった。
その後もたっぷり遊んであたし達は寮に帰った。
その間、琉生兄はおいて行かれたことで落ち込んでいたなんてあたし達は気づかなかった。