男子校のお姫様
「大仏だぁ・・・」
うん・・・大仏だね・・・。
何をそんな嬉しそうに・・・。
あたしは嬉しそうに大仏を見上げるヒロと裕篤を見ながら苦笑した。
「じゃあ集合写真も撮ったし自由行動ー!」
先生のその言葉に、皆は大仏の前から動きだす。
「長谷寺行く?ここから一番近いし」
「そうだね」
あたし達は長谷寺に向かう。
「わぁ・・・このお守りかわいい・・・」
あたしは苺のお守りを眺めながらそう呟いた。
恋愛成就のお守りみたい。
「佳音、それ欲しいの?」
「かわいいなって思っただけ。あたし好きな人もいないし、恋愛成就意味ない・・・」
「でも、そのうちできるかもよ。好きな奴。買ってあげる」
そういうと、慧はちゃっちゃとお会計を済ませてあたしの手に乗せた。
「ありがと」
あたしは慧の優しさに胸が温まるのを感じながら、微笑みながらお礼をした。