男子校のお姫様
お店から出て来た慧の手の中にはピンク色のおまんじゅうが・・・。
「はい。これ、佳音が好きそうだって言ってたんだよ」
慧はそういうと、それを手渡した。
これ何・・・?
あたしが首をかしげていると、祥も何か紙袋を差し出す。
「?」
「これも。これは持って帰って食べて。かわいかったから。ついでに、それは苺大福だよ」
「ありがと」
あたしは満面の笑みでお礼をした。
「いただきまぁす」
あたしは苺大福を一口頬張る。
「おいし~!」
にこにこしながら食べていると、カシャリと音が鳴った。
音が鳴った方を見ると、裕篤がカメラを構えたままにやりと笑う。
「今日は俺達が最高の遠足にしてやるから、写真くらい撮らせろよ」
「・・・あたしなんか撮ってどうするんだか・・・」
あたしは裕篤の言葉に小さく呟くと、「しょうがないな~」と言って微笑んで見せた。