男子校のお姫様

「・・・ほら」

鳥居から離れて、歩いていたら何処かに消えたと思っていた龍が突然現れたのには驚いた。

だけどもっと驚いたのは・・・その手にいちご飴が握られてたこと。

「・・・早く受け取って」

「え?あ、ごめん。ありがと」

あたしがお礼を言うと、龍は照れたように微笑んでくれた。

その瞬間を裕篤が写真に収める。

「あれあれ~?龍照れてる~?」

ヒロはにやにやしながら龍にちょっかいを出している。

あたしはそんな光景を眺めながらいちご飴をかじった。

「何これ・・・。超おいしい・・・」

かりかりの飴にとろとろの苺が包まれてて・・・おいしい・・・。

お祭りで食べるいちご飴よりも美味しい。

「よかったね」

光君が微笑みながらそう言ってくれたから、あたしも笑顔で頷いた。


本堂に近付くと、まだ皆は集まってきていないことに気付いた。

唯一その場にいた先生に近付くと、皆が来るまで皆で喋っていた。

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