男子校のお姫様
しばらく走り続けると目の前にたくさんの妖怪があらわれた。
「これまた大量」
「だね」
あたし達はため息交じりにそう呟くと、敵陣に突っ込む。
「なんか今日はいつになくしつこい気がする・・・」
「佳音もそう思ってたか」
既に息切れしそうな程なのにまだ半分以上の妖怪が残ってる。
いつ人が通るかも分からないし・・・さっさと片付けないと・・・。
「しょうがない・・・あの術使うか・・・」
「は?佳音、霊力だいぶ消耗してんだろ!?倒れるかもしれないんだぞ!?」
「だって、いつ人が通るかも分からないしね」
あたしは琉生兄の言葉にそう答えると両手で印を組む。
鋭く術を唱えると印を振り落とす。
集められた霊力が敵陣に向かって飛んでいくと、妖怪は一匹も残らず消え去った。
それと同時に意識が遠のいていく。
「佳音っ!」
意識を手放す直前、倒れこんだあたしを慧が支えてくれた。