男子校のお姫様
忍び寄る影
「ん・・・」
目を覚ますと、見慣れた天井と心配そうな顔をした慧の顔が・・・。
琉生兄に至っては「俺のせいだ・・・」なんて呟きながら部屋の隅でキノコ栽培を・・・。
「佳音大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ。心配掛けてごめん・・・。それと琉生兄、2人のせいじゃないんだしそんな沈まないで。あと、人の部屋でキノコ栽培しないで」
あたしは2人にいつもの調子で笑って見せた。
「俺達もあの術が使えれば、佳音も倒れなくて済んだのにな・・・」
「でもあの術、一族でも祖父ちゃんと佳音しか使えないし・・・」
そう。あたしが使った術は、一族で2人しか使えない術。
神様と信頼しあうことで使うことのできる術。
「だけど、あれは強い相手に使ってもそんな効かない軽めの術だし・・・」
「でも、強い相手も倒せる術佳音使えるじゃん・・・。やっぱ才能・・・?」
「琉生。佳音は才能もあるけど、1番は努力だよ」
慧があたしの努力を認めてくれたことが嬉しかったあたしは微笑んだ。
「それにしても・・・なんで今日のあいつらはあんなにしつこかったんだ?」
本題に入ると、一気に空気が変わったのが分かった。