男子校のお姫様
≪さて、今年もやってまいりました体育祭!皆さんご存知の通り優勝クラスには旅行券プレゼント!力の限り熱いバトルを繰り広げてください≫
生徒会長の言葉に生徒達は「おぉ!」と叫ぶ。
あたしはその光景に気後れしていた。
この学校は中高一貫教育なだけあって、生徒が多い。
だから何故か二つある校庭の1つを中等部が、もう1つを高等部が使っている。
もう1つの校庭からも歓声が聞こえてくる。
こうして体育祭は幕を開けた。
「暑いね・・・。日焼けしそうだし・・・」
あたしは自分の腕を見つめながらため息を吐いた。
「・・・佳音は日焼けしても大丈夫だと思う・・・」
いつもは寝ている龍も今日ばかりは真面目に参加している。
そんな龍の一言にあたしは「そうかなぁ・・・」と呟いた。
≪続いて2年障害物競争≫
その放送を合図にあたし達は入場ゲートに移動する。
ヒロと裕篤は相変わらずやる気いっぱいみたいで、元気に騒いでいた。