男子校のお姫様
「いただきます」
あたしはすでに用意してあったフレンチトーストを食べ始めた。
「おいし~・・・。でもしばらくこれ食べれないんだよね・・・」
「うふふ、ありがとう。でも大丈夫よ。佳音は自分でおいしい料理つくれるじゃない」
「・・・まぁ一応は料理できるけど・・・」
おいしいかどうかは別としてね。
「俺これから佳音の部屋でご飯食べようかな~・・・。佳音作ってくれる?」
慧が首を傾げて聞いてきた。かわいいっ!
「あたしなんかの手料理でいいなら作るよ」
あたしが微笑みながら返事をすると、慧は嬉しそうに頬を緩めて笑った。
「じゃあ俺にも作って!」
「えぇ・・・琉生も来るの?」
慧が嫌そうな顔で言った。
「もちろん行くに決まってる!」
「うるさそうだな・・・」
慧と琉生兄の会話をお父さんとお母さんは優しい笑顔で見守っている。
そんな和やかな雰囲気のまま、時間は過ぎていった。