男子校のお姫様


「そろそろ行くか」

「もうそんな時間?」

「えぇ。さぁ、車に乗って」

「「「はぁい」」」

あたしたちは3人揃って返事をすると、車に乗り込んだ。


あたし達が乗り込んだ後、戸締まりを済ませたお父さんとお母さんが車に乗り込んでくる。

「じゃあ出発するけど忘れ物ないか?」

「「「ない」」」

おぉ!はもった!←

あたし達の返事を合図に車はゆっくりと走りだす。

あたしは手持ちのスクバから携帯を取り出すと電源を切って再びスクバの中に戻した。

スクバの中身はノート、筆記用具、ポーチ、携帯。

教科書はまだないからノートだけなんだ。

ポーチの中身は一応女の子だし、鏡とかくしとかピンとかゴムとか・・・そんな感じ。

携帯は教室にも持ち込みOkなんだって。

ほんと自由な学校な気がする・・・。

「佳音、不安?」

あまりにぼーっとしていたのか、慧が心配そうに声をかけてくれた。

「不安だけど大丈夫だよ。ありがとね、慧」

あたしは慧に優しく微笑みかけた。


< 18 / 259 >

この作品をシェア

pagetop