男子校のお姫様
「やっと帰ってこれた・・・」
寮に帰ってくると、脱力感でその場に倒れこみそうになった。
「おかえり」
そう言ってあたしを支えたのは慧。
「ただいま。・・・じゃなくて、なんで居るの?あたし鍵・・・」
「閉まってたよ。春希さんに合い鍵貰った」
慧はそういうと平然とそのカギを顔の横に持ち上げる。
あのね、それ不法侵入っていうんだよ。
あたしは後で春希さんにおしおきをすることを決めた。
そのままリビングに向かうと、そこにはやはりいつものメンツが・・・。
あたしはため息を吐きながら寝室に向かう。
「佳音おかえり。明日から一泊二日で旅行だから」
「はいはぁい」
あたしは追いかけて来た裕篤にそう答えると、ベットに寝転んだ。
「佳音・・・俺さ」
「ん~?」
あたしは突然喋り出した裕篤に視線を向ける。
すると、裕篤は何かを決意したように話し出した。