男子校のお姫様
「部屋も広いね。あ、部屋区切れるじゃん!」
「ホントだ~。じゃあ、僕と佳音ちゃんはこっちで寝よ」
「待て光。だったら俺も」
こうして半ば無理やりあたしは光君と慧と同じ部屋で寝ることに決まった・・・。
「それじゃ、自由時間だしテニスしに行こう」
「はいはぁい」
あたし達は荷物を置くと、テニスコートに向かう。
「コートも綺麗に整備されてるね」
あたし達はレンタルのラケットをもってコートに入った。
適当な所に入ると、あたしは光君と対峙する。
審判は慧がするみたい。
「佳音、言っとくけど光って俺等の中で一番テニス強いからね」
「あたし負けるつもりないし、その情報いらなぁい」
あたしは近くのベンチに座って試合観戦しようとしていたヒロにそう返すと、ラケットを構えた。
「いくよ!」
光君がそういうのと同時に、勢いよくボールが飛んでくる。
それを合図に、白熱した試合が始まった。
2人の間を行き来するボールを眺めながら、皆がぽかんと口を開けているのが見える。
あたしは思わず笑ってしまいながらもラリーを繰り返した。