男子校のお姫様
第五章
テスト
あたしは運よく誰もいなかったお風呂から出ると、髪を乾かして足早に部屋に帰る。
「佳音ちゃん、おかえり~」
「ただいま」
「お!佳音、浴衣じゃん!色っぽいね」
あたしはそんなヒロの言葉を豪快にスルーする。
皆もお風呂に入ったのか、浴衣姿だ。
しかも髪も濡れたままでなんだか色気ヤバい!
「ひどい!無視!?」
「ヒロ。・・・照れるからやめて」
あたしの言葉にヒロは大笑いしだしたけど、無視。
皆もそんなヒロを放置して、布団を敷き始めた。
もう寝るのかな?と思いきや・・・
「枕投げするぞ!」
裕篤のその言葉で改めて実感。
この人たちが素直に寝るはずがない・・・と。
「あたしはやらないよ。・・・死にそうだし。だから代理置いてく」
あたしはそういうと、バックの中から人型を取り出す。
「~~~~」
術を唱えて、式を呼び出す。
「おぉ!佳音がもう一人!」
「この子があたしの代理。じゃ、皆ファイト」
あたしはそういうと、奥の部屋に敷いてある布団に潜り込んだ。
隣の部屋からは断末魔の叫びが聞こえる気がしたけど・・・気のせいだよね!
あたしはそう自分に言い聞かせると、そっと瞼を下ろす。
それから少し経った頃、あたしは夢の中に溶け込んでいった。