男子校のお姫様

その日のHRは文化祭での出し物を決めた。

うちのクラスは劇と喫茶店をすることに。

劇ではあたしがアリスが好きだと知っている慧のリクエストから、オリジナルアリスをやるらしい。

台本は委員長が考えるとのことで、どんな話になるのか楽しみ。

そして今からあたしは理事長室に行かなくてはいけない。

春希さんに劇のことで話があると呼び出されたから。

「失礼しま…「佳音~!」」

理事長室に入ると、例のごとく飛びついてくる春希さん。

すると一緒に来ていた慧があたしごとそれを避けた。

「春希さん。話は?」

「あ、佳音は新選組の劇にでて。演劇部の劇だから本格的だぞ~」

「新選組の?」

「うん。ただの新選組の劇じゃなくて乙女ゲーム風だぞ~。佳音が主人公だ」

いや…この学校にいる時点で乙ゲー風だし…。

あたしはそんなことを考えながらもしかたなく頷いた。

「やるよ」

頼まれたらやらないとね。

それに、あたし結構新選組好きだし?

楽しみだな~。

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