男子校のお姫様
配役決めは平等にくじで決められた。
結果、あたしの相手役は光君に!
そのほかのおもな登場人物に、他の皆も入ってて豪華な劇だなぁ・・・なんて思ったり。
「そんじゃ、配役決まったし、お前等の技量見せてくれ。そうだな・・・じゃあこの辺から」
「はい」
あたしは台本を片手に目を閉じる。
「始めてくれ」
先生の言葉を合図にセリフを口にする光君。
顔が役者の顔になってる・・・。
「僕は帽子屋。皆からはマッドハッターと呼ばれているよ。君の名前を教えてくれないか?」
「私?私はアリス」
「アリスか。いい名前だね」
「そうかしら?ありがとう」
やわらかく微笑んで見せる。
「ところで、これは何なの?」
「これかい?これはお茶会さ」
「お茶会?うさぎさんやヤマネさん達と?」
今度は目を見開いて驚いた表情。
「そこまででいい」
しばらく進めたところで、先生の声がかかった。
もしかして下手だった・・・?きもちよく演じてたけど・・・。
そう思ったあたしの耳に飛び込んだ言葉は衝撃的だった。