男子校のお姫様
一睡もできないまま迎えた朝。
まぁこんくらいなら慣れてるから全然平気なんだけど・・・。
更衣室で着替えてから向かった教室では着替えた皆が接客の練習を始めていた。
「あ、佳音ちゃんおはよう!」
「おはよう」
あたしはそう返すと適当な椅子に座る。
「佳音知ってるか?今日な、文化祭おわったら後夜祭やるからな」
「そうなんだ」
あたしは相手がヒロだったということもありそれだけ返すと手紙を広げた。
だけど、結局何もわからないまま開店時刻に・・・。
あたしは頭では解読をし続けつつ、笑顔での接客に努めた。
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
そういって相手の顔を見たあたしはきっとひきつった笑顔だと思う。
「コーヒー2つ」
「かしこまりました」
そう答えてそそくさとその場から離れる。
コーヒーをもって戻ると、さっそくあたしは違う相手を接客したいという衝動に駆られた。
「それで、解読はできたかな?」
「いえ」
「それじゃあヒントをあげよう。そう難しく考えることはないよ」
そういうとコーヒーを口に含んだ会長。
副会長は何も言わずただひたすらコーヒーを見つめていた。