男子校のお姫様
バンッ!
勢いよくドアを開くと、ステージには会長と副会長が立っていた。
そして・・・姿は見えないけれど強い妖気を感じる。
飛び込んできたあたしをみるなりにやにやしだす2人に苛々しながらも一応既に並んでいたクラスの列に並んだ。
「さて、全員揃ったようだね」
会長が張り付けたような笑顔でそんなことを言っている。
「佳音大丈夫か?」
「うん。解読もできた。それよりこの妖気・・・」
「あぁ。おそらくあの男だろう」
慧とそんな会話をしながら話に耳を傾ける。
「・・・うるせぇな・・・」
急に発せられたその言葉にざわついていた体育館が静かになった・・・。
それと同時に一斉に割れる窓ガラス。
あたしは人がいっぱいいるにも関わらず咄嗟に術を発動してしまった。
「静止!」
すると砕けたガラスは宙に浮いたまま静止した。
「禁!」
今度は静止していたガラス片が粉々に砕ける。
その光景を目の当たりにした生徒皆が騒然とした。