男子校のお姫様
「とてもよく似合ってる」
「ありがとう」
そんな会話をした後あたしはすぐに着替えに入った。
衣装部屋から出ると、彼はソファに座る。
「来い」
そう言って隣を叩く彼。
これはチャンス!
ここで隙を作れば調伏できるかもしれない。
そう考えたあたしは彼の隣に腰かけた。
「ふふっ。なんだかんだでお前、俺に興味あるんじゃねぇの?」
自意識過剰!
「あははっ、ばれた?」
だけど油断させるためにはそんな演技も必要だもんね~。
「本当か!?だったら・・・」
そう言って顔を近づけて来た彼を受け入れるあたし。
否、正確には受け入れるように見せた、だけどね。
抵抗しないあたしに彼はどんどん顔を近づけてくる。
あたしはちょうどいいタイミングを見計らって、印を組んだ手を顔の下に持ち上げた。
「禁っ!」
その言葉であたしの周りには結界のようなものができた。