男子校のお姫様

その行動に驚いたような顔をした彼。

あたしは彼から距離をとる。

そこで気づいた。

どうせなら縛術にしとけばよかった・・・と。

「ごめんね、デューク。あたしにはちゃんと好きな人がいるから」

「ふん。そんなこと知っている」

そう言った彼の背中には漆黒の翼が・・・。

不覚にも綺麗だと思ってしまったあたし。

そんな自分を叱咤しながら彼を見据える。

「お前は俺の者になるのが1番だ!」

その言葉とともに飛んできた羽根(の塊)。

あたしはそれを避ける。

けれど避けきれなかった分の羽根があたしの足を拘束した。

あたしはいそいで印を組むとそれを外そうとしたけれど、再び飛んできた羽根によって邪魔される。

手首にも巻きついた羽根にあたしは身動きが取れない。

「っ・・・」

デュークはかなりキレているみたいだ。

その証拠に妖気が爆発を起こしている。

その衝撃で割れたガラスがあたしを斬りつけていく。

「痛っ!」

気づけばあたしは傷だらけになっていた。

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