男子校のお姫様

「ふふっ。やっぱりすごいな」

そう言って笑った彼。

どうやったら倒せるか・・・。

きっとあたしの術のダメージだけでは無理。

となると、水竜と雷竜の2段活用か・・・。

霊力がもつかわからないけれど・・・やるしかない。

あたしは符を指にはさむと術を発動する。

「我、陰陽を操るもの。この呼びかけに応え、水を降らせ。水竜!」

水竜の出現と同時に次の符を取り出す。

「我、陰陽を操るもの。この呼びかけに応え、雷を落とせ。雷竜!」

水竜によってびしょ濡れになった彼に雷が落ちる。

彼は断末魔の叫び声をあげると消え去った。

「・・・浄化・・・」

あたしはそう呟くように言うと、もと来た穴に向かって歩き出す。

けれど、出血量のあまりの多さと霊力の消耗で足元がおぼつかない。

なんとかたどり着いたあたしは穴に飛び込む。

光君・・・約束守るよ・・・。

そんな思いを胸に、あたしは穴の中を落ちていく。

なんかアリスみたいだな・・・。

なんて思ってたことは秘密。

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