男子校のお姫様
男子校のお姫様
大体育館に降り立ったあたしを見て歓声があがる。
あたしの周りには皆が駆け寄ってきた。
「佳音ちゃん、おかえり」
「ただいま・・・」
光君の言葉にそう返すと俯く。
ヤバい・・・。視界が霞む・・・。
首があがらない・・・。
皆が何か言ってるみたいだけど、声が遠のいていく。
あはは・・・やっぱり血だしすぎたかな。
「・・・佳音?」
どうやら慧はあたしの異変に気付いたみたいだ。
「どうした?」
そう言って肩をつかんだ慧は驚きの声をあげた。
「なんでこんな濡れてるんだ?・・・って、これ・・・血・・・」
「ほんとだ!足元血の海じゃん!」
そんな困惑した声が聞こえてくる。
立っていられなくなったあたしは倒れこむ。
支えてくれたのは光君だった。
後ろからは春希さんが救急車!と叫んでいるのが聞こえた。
「ひ、かる・・・くん・・・。あた、し、約束・・・守れ、たよね?」
「うん・・・。だからもう1個約束。今寝ちゃ駄目だからね・・・」
「え・・・無理・・・。も、瞼・・・重く、て・・・」
そこまで言ったあたしは目を閉じた。