男子校のお姫様
『佳音ちゃん・・・』
いくら叫んでも反応がない。
だからあたしはその声のする方に向かって走り出した。
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「ん・・・」
目を覚ますと、夕焼け色に照らされた壁が目に入った。
どうやらあたしはベットに寝ていたみたい。
「佳音ちゃん!」
「え・・・光、君・・・」
あたしこんな大事な人のこと忘れてたんだ・・・。
「ここ何処?」
「病院。佳音ちゃんあの後救急車で運ばれて、危険な状態だったんだよ。ずっと目覚まさないから心配しちゃった」
「ごめん・・・。どれくらい寝てた?」
「・・・1ヶ月」
そんなに!?
「ホント心配した」
そう言って抱きしめてくる光君。
あたしも彼の背中に腕を回すとギュっと抱きついた。
「ごめんね、光君・・・」
そう謝りながら。