男子校のお姫様
「さぁ佳音ちゃん!俺と帰ろうよ」
「え・・・」
ゆったりと顔をあげたあたし。
そのとたんその場にいた誰もが鼻を押さえながら赤面して倒れた。
全員佳音の涙目+上目遣いにやられたのだった・・・。
本人無自覚なのが恐ろしい・・・。
「え!?みなさん大丈夫ですか?やっぱり具合悪かったんだ・・・」
そうとも知らず佳音は1人おろおろしていた。
「どうしよう・・・」
そう呟いた瞬間佳音の頭にはいい案がうかんだ。
(今のうちに理事長室に避難すればいいんだ!)
そう思いついたあたしは荷物を持って教室を飛び出した。
・・・までは良かったんだけど・・・。廊下でも人だかりができてしまった。
「・・・なんでぇ?」
本気で泣きそうなあたしの前に、誰かが現れた。
その人が誰なのか確認したあたしは、ほっと胸をなでおろすと、彼の名を口にする。