男子校のお姫様

「慧・・・」

「佳音に群がるなんていい度胸だね」

「「「せ、瀬戸(慧)!?」」」

そう。あたしをかばうように立ったその人は慧だった。

それにしても、妙に慧おびえられてない・・・?

「佳音をおびえさせるなんて・・・覚悟はできてるよね?」

「ひっ・・・うわぁぁぁ!!」

それから五分後の廊下はまるで地獄絵図のような悲惨なものになっていた・・・。

「佳音大丈夫?」

「うん。慧のおかげで」

「よかった」

慧はさっきまでの雰囲気と打って変わって、いつもの優しい慧に戻っていた。

「それじゃ、光達が来る前に理事長室いこうか。部屋の鍵貰わないとね」

でましたっ!慧のエンジェルスマイル!!

「うん」

あたしはエンジェルスマイルを浮かべている慧に笑顔で返事をする。

慧はそんなあたしの手首をつかむと、優しく引っ張ってゆっくり歩き出した。


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