男子校のお姫様
「・・・まぁいっか・・・。じゃあ、お願いします」
あたしはぺこりと頭を下げると、今度は春希さんの方に視線をあわせた。
「理事長、鍵ください」
理事長を強調して言ってみた。
護衛をつけるなんて勝手に決めた仕返しのため。
「佳音が理事長って言った(泣)なんでだぁ!?」
春希さんは頭を抱えて騒ぎだした。
「原因ならご自分のなさったことを思い返してみたら分かりますよ。あたしのことを想っての行動だとは分かってますが、勝手すぎるのも・・・ね?」
あたしは黒笑を浮かべながら言った。
「ぐはっ!!敬語ばっか!?えぇ!?そんなに護衛つけるの嫌だったのか!?」
「・・・・・・」
あたしが口を開かずに黒笑を浮かべていると、代わりに慧が言ってくれた。
「はぁ・・・。春希さん、佳音は男が苦手なんだよ」
慧がそういうと、その場にいた誰もが目を見開いた。
「佳音、そうだったのか!?」
春希さんの言葉に小さく頷くと、春希さんは申し訳なさそうに眉を下げた。