男子校のお姫様
「ごめんな佳音・・・これ鍵・・・」
「ありがとうございます。理事長」
あたしは口元だけで笑うと鍵を受け取った。
「うわぁん!佳音ーーー!!お願いだから春希さんって呼んでくれぇぇぇ!」
「・・・はぁ・・・。分かったよ。じゃああたし寮行くから。またね春希さん」
あたしと慧は理事長室を出た。
「慧、これ何階?」
あたしが鍵の番号を慧に見せると、慧はどれどれと鍵を覗きこんだ。
「これは最上階。1番端っこの部屋だね。隣は俺の部屋」
「そうなの?良かった~・・・」
あたしは慧の言葉にほっと息を吐いた。
「あっ!夕ご飯食べに来てね?」
「うん。絶対行くから大丈夫」
あたし達はそんな会話をしながら歩いていた。
それにしても寮遠いな・・・。
やっぱ敷地面積広いと大変だな・・・。
そんなことを考えていると目の前に建物が見えて来た。