男子校のお姫様

「佳音ちゃん、その子誰?」

その言葉に祥もこっちを向いた。

「男の子?」

2人は不思議そうな顔をしている。

「え・・・祥にも見えてる・・・?」

あたしは驚きで目を見開いた。

「は?はっきり見えてるけど」

「祥も見えるタイプなんだ・・・」

あたし達が会話していると、妖怪がギュっと抱きついてきた。

『僕ね、佳音ちゃんの学校に住んでるんだよ。今日は電車で来たんだよ』

そうなんだぁ・・・。

『でもね、佳音ちゃんが転校してくる前から佳音ちゃんのこと知ってたよ。佳音ちゃん有名だからね。すっごくかわいいって』

「・・・最近会う人みんな視力悪いんだよね」

あたしが今度は声に出して返事をすると、男の子の声も聞こえていたらしい2人が反応した。

「「俺(僕)たち視力いいから」」

ナイスハモリ!!

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