イジワル社長と秘密の結婚
四人で応接室のソファに座り、しばらく仕事の話をする。蒼真さんは、真由さんの隣に座っているけど、それすら私にはモヤモヤして映った。

「それでは、伊原さん。これから、どうぞよろしくお願いします」


「はい。よろしくお願いします」

なんて余裕たっぷりの笑みだろう。強張る私と違い、彼女は自信たっぷりな雰囲気が漂っている。

私に挨拶をした真由さんは、蒼真さんに視線を移した。

「じゃあ、蒼真くんは今夜ね。楽しみにしてる」

そう言った真由さんは、課長にも挨拶をすると帰っていった。

今夜、二人は会う予定なの？ こんな場所で言うくらいだから、完全にプライベートというわけではないんだろうけど。

蒼真さんは、普段どおり「ああ」とだけ返事をしていたから、勘ぐる必要はないと思う。

だけどどうしても、心は悶々としていた。




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