イジワル社長と秘密の結婚
課長の言葉には、覚悟が込められているのが分かって、私も誠実に答えないといけないと思った。

「もし望みがあるなら……」

きっと課長は気づいている。私が受け入れられないということを。それをはっきりさせたくて、こうやって聞いてるんだろう。

それだけ、緊迫した雰囲気を感じた。

「課長、本当にすみません。私、お付き合いできません」

頭を下げ、ようやく自分の想いを伝える。あんなに憧れだった課長なのに、お付き合いを断ることになるなんて、私も思っていなかった。


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