イジワル社長と秘密の結婚
「悪いな来てもらって」

蒼真さんは立ち上がると、私の側へ来た。

「いえ。資料をいただきに来たんです」

昨夜のことが気になるけど、今は聞くときじゃない。頭の隅に追いやると、蒼真さんはメモリを私に手渡した。

「これだよ。中身はゆうべ、田辺さんと話し合ったものを作ったから」

「ありがとうございます。時間かかりました?」

「それなりにな。でも、彼女のアドバイスもあったから、スムーズに作れたよ」

真由さんとは元恋人同士だけあって、気が合うんだろうな。複雑な思いでメモリを受け取った。





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