イジワル社長と秘密の結婚
そんな唐突な私の誘いに、真由さんは快く応じてくれ、仕事が終わってから、食事をすることになったーー。



彼女が指定した店は、オシャレな創作料理の店だった。店内は、少し薄暗い照明になっていて、アジアンテイストの落ち着いた雰囲気。

私と真由さんは、奥のお座敷席へと案内された。

藤で作られたのれんがパーテーションとなり、隣の席と仕切られている。

向かい合わせで座ると、リラックスしたように真由さんはおしぼりを手に取った。

「掘りごたつっていいよね。正座しなくて済むから」

そう言って屈託なく笑う真由さんに、私は小さな笑みを返した。




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