イジワル社長と秘密の結婚
その後は、仕事の話も過去の話も一切なく、私と真由さんは美味しい料理とお酒を堪能した。


すっかり夜も遅くなり、家に帰ると久しぶりに蒼真さんと顔を合わせた。

「おかえり、咲希」

「ただいま……。蒼真さん、なんだか久しぶりね」

部長のことは、少しは落ち着いたのかな。帰宅が遅く、出勤が早かったものね。

心なしか、蒼真さんの顔が細くなったような……。仕事が忙しかったのに、真由さんの話をしてもいいのかな。

さっきまでは、意気込んでいた私の心は一気にしぼんでしまった。



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