イジワル社長と秘密の結婚
「風呂、先に入る?」

ネクタイを緩めた蒼真さんが、そう声をかけてきた。

「ううん。大丈夫。蒼真さんが先に入って」

と言うと、彼は優しい笑みを見せた。やっぱり、今夜話すのはやめておこう。

真由さんから真実は聞けたわけだし、疲れているときに問い詰めるべきじゃない。

となると、アメリカ行きの話も別の日にするか……。早く聞きたいけど、今じゃないし。

蒼真さんがお風呂から出て、私もようやくさっぱりする。それから寝室へ向かうと、蒼真さんはすでに、ベッドで寝ていた。
< 139 / 156 >

この作品をシェア

pagetop