イジワル社長と秘密の結婚
覚悟
真由さんから聞いた、私を離さないと言ってくれた言葉が蘇ってくる。こんな風に求められて、嬉しかった。

「あ……。ん……」

慣れた手つきで服を脱がされ、胸にキスを落とされる。呼吸が乱れるなか、蒼真さんも肩で息をしながら言った。

「迫田課長のことは、もう気にしてないから。ごめんな、俺のヤキモチで咲希を傷つけた」

私を見下ろしながら言う彼の目は、優しく穏やかだった。

「隙を作った私がいけなかったんです。ただ、課長の告白は、きちんとお断りしましたから」

「ありがとう。きみにキスをしていいのは、俺だけだから」


そう言って蒼真さんは、私を強く抱きしめた。ベッドのスプリング音は、大きく部屋中に響いている。

そして、それにも負けない私の甘い声と、彼の荒い息遣い。


「あっ……、蒼真さん……」

ずっとずっと、重なっていたいと思うほど、幸せを感じる。私だって、この温もりを離さない。

ーー心底、そう思う。




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