イジワル社長と秘密の結婚
お互い起き上がって、蒼真さんはしばらく黙って聞いていた。そして、彼は深くため息をついた。

「咲希には、聞かれたくないエピソードだったな」

落ち込み気味の蒼真さんの手を、私は優しく握った。

「でも、噂話は誤解だったわけですし。私は、そんなことは気にしません」ら

「ありがとう。でも、照れくさいもんだな。過去を知られるのは」

苦笑する蒼真さんに、私はクスッと笑った。

「そういう過去も含めて、蒼真さんなんじゃないですか」




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