イジワル社長と秘密の結婚

「咲希、誤解はしないでほしい。真由とは、今は仕事の仲間以上の感情はない。それは、彼女も同じだ」

「はい……」

ホッとしながら返事をすると、蒼真さんはそっと私の頬に触れた。


「俺が好きなのは、咲希だけだから」

「蒼真さん。私も好きです……」


そっと重なる唇と、再びきしむベッドの音。温もりを感じながら、私は決心していた。

蒼真さんとの明るい未来を、絶対に作ると。今となれば、祖父の遺言に感謝する。

こうやって、蒼真さんと出会えて結婚できたのだから……。