イジワル社長と秘密の結婚
離婚に向けて、お互い頑張ることで一致したけど、最大の難問がやってきた……。

「あの、社長。どうやって寝ますか?」

「どうって……。俺が別の部屋に行くよ。まさか、本気で一緒に寝ると思ってたか?」

そう言うけれど、この家に用意されている布団はベッドの物だけ。

「布団もないのに……ですか?」


「仕方ないよ。明日には用意してくるから、今夜は我慢する」

と言われても、社長を雑魚寝させるわけにはいかない。腹をくくった私は、こんな提案をしてみた。

「一緒に寝ませんか…?キングサイズだから広いし…」

社長はいい大人だから、突然襲ってきたりはしないと思う……。

すると、驚いた顔をした社長は、数十秒ほど考えて答えた。

「本当にいいんだな? 伊原がいいなら、そうする」




< 16 / 156 >

この作品をシェア

pagetop