イジワル社長と秘密の結婚
「あ、蒼真さん。おはようございます……」

気まずい思いで挨拶をすると、蒼真さんはまだ半分しか開いていない目で私を見た。

「ああ、おはよ…」

私を抱きしめていることを、気に留める様子はない。それどころか、

「なんで、こんな近くにいるんだよ?」

そんな風に言われてしまった。

「蒼真さんが、私を……その、抱きしめてたんですよ」

言うのも照れくさいのに、蒼真さんは顔色ひとつ変えない。

「あの、いい加減、腕を離してくれませんか?」

いつまで、抱きしめてるつもりなんだろう。自覚がないのかな……。

すると、蒼真さんは何を思ったのか、腕を離すどころか、さらに強く抱きしめてきた。




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