イジワル社長と秘密の結婚
「そんなわけないじゃないですか⁉︎ いきなり、なにするんですか?」
戸惑う私とは反対に、蒼真さんは私の唇を拭っている。
「その割に、途中から抵抗しなかったじゃないか」
ニヤッとする彼に、私は慌てて否定した。
「しなかったんじゃないんです。蒼真さんが、離れてくれなかったんじゃないですか」
「そうか? まあ、よくよく考えたらさ、一応オレたち“夫婦”なわけだし、前向きに考えることも必要だよな」
どうしたら、たった一晩でこんなに前向きになれるんだろう。私はどうすれば離婚できるか、それを考えていたのに。
ほとんど呆れ気味に見ていると、蒼真さんは悪戯っ子のような笑みを浮かべて顔を覗き込んできた。
「まあ、そういうことで。しばらく仕事が忙しいから、離婚は追い追いな。じゃあ、よろしく奥様」
「ええ……?」
返事に困っていると、蒼真さんは優しく私の頭を撫でた。
「ほら、支度しよう。会社に遅れる」
戸惑う私とは反対に、蒼真さんは私の唇を拭っている。
「その割に、途中から抵抗しなかったじゃないか」
ニヤッとする彼に、私は慌てて否定した。
「しなかったんじゃないんです。蒼真さんが、離れてくれなかったんじゃないですか」
「そうか? まあ、よくよく考えたらさ、一応オレたち“夫婦”なわけだし、前向きに考えることも必要だよな」
どうしたら、たった一晩でこんなに前向きになれるんだろう。私はどうすれば離婚できるか、それを考えていたのに。
ほとんど呆れ気味に見ていると、蒼真さんは悪戯っ子のような笑みを浮かべて顔を覗き込んできた。
「まあ、そういうことで。しばらく仕事が忙しいから、離婚は追い追いな。じゃあ、よろしく奥様」
「ええ……?」
返事に困っていると、蒼真さんは優しく私の頭を撫でた。
「ほら、支度しよう。会社に遅れる」